
倉庫には商品があるのに、Amazonでは在庫切れ。追加分を送ったものの、販売できる状態になるまでに間が空いた。こうした事態を減らすには、残りの個数だけでなく、補充が間に合うかを見ておきたいところです。
確認するのは、売れるペース、今売れる在庫数、追加分が売れる状態になるまでの日数。この3つを並べると、「残り100個だから大丈夫」という判断から一歩進めます。
ここでは主にAmazon.co.jpのFBA利用商品を想定し、補充の考え方を説明します。数値は説明用の仮例です。自社の成果事例や、Amazonが定める補充基準を示すものではありません。
倉庫の総数と、今売れる数を分ける
まずそろえたいのは、何を在庫数として見ているかです。自社倉庫に置いてある商品と、FBAへ発送中の商品、Amazonの管理画面で販売可能と確認できる商品を、同じ「残り在庫」にまとめると補充の判断がずれます。
すでに注文に引き当てた分や販売できない商品も、今からの注文を受けるための在庫に含めません。管理画面の項目名と内訳を確認し、今販売に使える数量と、今後使える予定の数量を分けて記録します。単純な倉庫総数からではなく、その時点で使える数量から考えます。
SKU、色、サイズ、セット数ごとの違いにも注意してください。シリーズ全体では在庫があっても、売れ筋の色だけ欠けることがあります。単品と複数個セットを同じ表で扱う場合は、販売数量が「セット数」なのか「中身の個数」なのかもそろえます。
何日分あるかを、販売ペースから見積もる
残り個数だけでは、いつ補充すべきかは分かりません。1日1個売れる商品と、1日10個売れる商品では、同じ100個でも持つ日数が違います。
例えば、販売可能な在庫が120個で、今後も1日6個売れると仮定すると、120÷6=20日分です。これは販売ペースが変わらないと置いた見積もりで、20日間の販売を保証するものではありません。
販売ペースを決めるときは、直近だけでなく、セール、広告、価格変更、曜日の偏りも確認します。欠品した日を含む期間の平均は、売れるはずだった数量を表していません。欠品期間を把握したうえで、在庫があった期間の実績や、似た条件の期間を手がかりにします。
発売直後など実績が少ない商品なら、少なめ・通常・多めの複数の想定で計算してみます。販売がゼロの商品をこの式だけで判断したり、少ない実績から精密な需要予測ができたと考えたりはしません。
補充日数は、発送までで終わらせない
仕入先への発注、入荷、検品・ラベル等の準備、FBAへの輸送、受領・処理。補充を考える際は、追加分を販売に使えると確認できるまでの流れを見ます。発送まで7日でも、その後に日数がかかるなら、7日前の発注では間に合わない可能性があります。
次の図は、今日発注してから販売に使えるまでを12日、余裕として見る日数を5日と置いた仮例です。余裕日数はAmazonの推奨値ではありません。
この例では、20日分の在庫に対して、補充日数と余裕日数が計17日。差は3日です。ただし、今から必ず3日待ってよいという意味ではありません。販売が1日8個に増えれば120÷8=15日分となり、同じ17日に2日足りなくなります。
補充にかかった日数も、最近の実績から見直します。仕入先の休業、輸入の遅れ、納品準備の担当者不在など、自社側の事情も入れてください。受領までの所要日数を一律に決めつけず、予定と実績の差を残します。
余裕を増やせば欠品への備えになりますが、その分だけ在庫や資金の負担も増えます。販売の振れ幅、補充の遅れ、保管条件を見て商品ごとに決める必要があります。
発注時期と、発注数量は別に考える
「補充を急ぐべきか」が分かっても、それだけで「何個仕入れるか」は決まりません。次の発注までの間隔、手元の在庫、発注済み・納品中の数量、最低発注数、ケースの入り数、資金の上限も確認します。
| 確認すること | 記録する内容 | 判断で気をつける点 |
|---|---|---|
| 販売ペース | 集計期間・販売数量・今後の想定 | 欠品日、セール、広告変更を見落とさない |
| 使える在庫 | 販売可能数・自社倉庫分・予約や引当 | 同じ在庫を二重に数えない |
| 追加分の見込み | 発注済み・発送中の数量と使える予定日 | 未確定の到着を確定在庫扱いしない |
| 仕入れの条件 | 補充日数・発注間隔・最小ロット・資金 | 余剰や資金負担も合わせて見る |
すでに手配した商品を見落とすと、欠品を心配して二重に発注しかねません。一方、今後の入荷数が十分でも、入荷前に在庫が尽きるなら販売の空白は残ります。数量と日付をセットにして考えるのが大切です。
Amazonの公式案内では、在庫補充通知や発注推奨ツールが紹介されています。推奨情報を見る際も、リードタイムなどの設定と、自社の入荷予定が合っているかを確認してください。表示される機能・条件は利用アカウントで確かめます。
主力商品から、確認する日を決める
全SKUを最初から細かく管理し直すより、欠品したときの影響が大きい主力商品から始める方法があります。商品ごとに、在庫が持つ日数、補充日数、手配済み数量、次に確認する日を並べます。
販売が速く、余裕が少ない商品は確認の間隔を短くします。週1回見る運用なら、次に見るまでの間に発注判断が必要にならないかも考えてください。セール前や広告を増やす前は、通常の確認日にかかわらず見直したいところです。
在庫を増やせば解決するとは限りません。動きの鈍い商品への追加投資も避けたいので、改善する商品の選び方や、商品ごとの採算の確認も合わせて考えてみてください。