EC運営 / 商品・運営改善

ECの商品数が多いとき、
改善する商品をどう選ぶか

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EC商品改善。商品が多いとき、どれから改善するか。売上・採算・在庫から優先順位を決める。商品箱を虫眼鏡で確認するイラスト。

商品ページを直したいけれど、商品数が多くて追いつかない。売れている商品から手をつけるべきか、それとも売れていない商品を立て直すべきか。

こういうときは、売上への影響が大きい商品を見つけたうえで、採算、在庫、直せる問題があるかを重ねて考えます。売上上位の商品でも、広告を増やす前に費用を見直したほうがよい場合があります。

この記事では、少人数で多くの商品を扱うメーカー・卸の担当者に向けて、改善候補を絞る手順を説明します。3商品の仮例を使い、何をするかまで分けて考えてみます。

この記事の内容
  1. 売上順の一覧に、採算と販売条件を足す
  2. 売上100万円の商品と、60万円の商品を比べる
  3. 同じ「改善候補」でも、やることを分ける
  4. 対象と変更内容を絞り、結果を確かめる

売上順の一覧に、採算と販売条件を足す

全商品の画像や説明文を一斉に見直す前に、商品別の売上・販売数を同じ期間で並べます。売上への貢献が大きい商品を把握するには、構成比や累計構成比で分けるABC分析も使えます。

ただし、売上で分けたランクだけでは、利益が残っているか、在庫を追加できるかまでは分かりません。売上上位を一律に「広告を増やす商品」と決めず、次の情報を足していきます。

  • 採算:原価、手数料、配送費、広告費などを引いた後に、いくら残るか。
  • 供給:売れるサイズや色の在庫があり、追加の注文にも対応できるか。次の入荷はいつか。
  • 改善の手がかり:閲覧や広告の反応、問い合わせ、返品理由などから、確かめたい問題があるか。
  • 商品の役割:主力、育成中、季節商品、終売予定など、今後どう売りたい商品か。

最初からすべての費用を正確に商品へ配分できるとは限りません。配分できていない費用を空欄や「未配賦」として残し、分かる費用だけで利益が出たと断定しないようにします。広告費を複数商品へ配分する場合も、使った方法を記録します。

色・サイズ違いがあるなら、商品全体だけでなく、その内訳も確認します。同じシリーズでも、売れ筋サイズだけ欠品している場合と、全種類の需要が弱い場合では、先にする仕事が違います。

売上100万円の商品と、60万円の商品を比べる

3商品の数字と状態が、次のようになっていたとします。どれも同じ1か月の集計ですが、新商品Cはその月に発売し、販売から10日しか経っていません。

説明用の仮例/金額は税抜・単位:万円
商品売上対象費用残額確認できている状態
主力商品A100955在庫あり。広告費・値引きの負担が大きい。
商品B604812在庫あり。サイズの問い合わせが続いている。
新商品C862発売10日目。閲覧・購入のデータが少ない。

売上は値引き反映後。対象費用は原価・販売手数料・配送等の変動費・広告費の合計とし、残額は売上からその費用を引いたものです。人件費等の固定費は引いておらず、営業利益ではありません。実際の店舗実績や標準的な利益率を示す数字ではありません。

説明用の仮例。主力商品Aは売上100万円、対象費用95万円、残額5万円。商品Bは売上60万円、対象費用48万円、残額12万円。売上はAが上だが、対象費用控除後の残額はBが上。固定費控除前。
図:表のA・Bを比較。棒の長さは共通の金額尺度で描いています。

売上を作っているのはAですが、対象費用を引いた後に残る金額はBのほうが大きくなっています。だからといって、AをやめてBだけに絞ればよいとは言えません。Aには既存の販売規模があり、費用を見直す余地があるかもしれないためです。

Bは、サイズの説明不足が購入の迷いにつながっていないかを調べる候補です。問い合わせ内容と商品ページを照らし合わせ、説明の追加で解消できる問題なのかを確かめます。問い合わせが多いという事実だけで、売上が伸びるとは断定しません。

Cは、販売期間が短い状態です。同じ月の売上順で下位でも、露出する機会が少なかったのか、見られたうえで買われなかったのかがまだ分かりません。発売日、在庫、閲覧数、購入数をそろえてから、育成を続けるかを考えます。

同じ「改善候補」でも、やることを分ける

一覧を作ったら、「優先度が高い」で止めず、商品ごとに次の仕事を書きます。例の3商品なら、次のように分けられます。

Aは、売上を上乗せする前に費用の内訳を確認する

広告費のどこが増えたのか、値引きが購入につながっているか、配送や販売手数料を正しく見積もれているかを調べます。単純に広告を止めるのではなく、費用をかける対象や条件を絞れるかを考えます。

販売規模が大きい商品は、小さな費用の変化でも店舗全体への影響が出ます。採算の改善候補として先に調べながら、別の商品でページ改善を試す進め方もあります。

Bは、購入前の疑問を解消する内容から試す

問い合わせが「自分の用途に合うサイズが分からない」に集中しているなら、サイズ表や使用例の不足を確認します。直す場所が具体的で、在庫や採算にも問題が見当たらなければ、ページ改善の試行対象にしやすくなります。

反対に、問い合わせの原因が寸法の個体差や商品自体の仕様なら、画像の追加だけでは解決しません。商品管理や製造側への確認が先になることもあります。

Cは、評価できる材料を集める

商品ページが正しく公開され、購入できる在庫があるかを確かめます。そのうえで、どのような検索語や入口から見られ、どれくらい購入につながったかを記録します。少数のアクセスから出した高い転換率だけで、広告を広げる判断もしません。

誤った価格や商品情報、購入できない状態など、販売上の問題は早めに対応します。一方、季節外の商品や終売予定の商品まで、成長させるための制作を同じ順番で進める必要はありません。

対象と変更内容を絞り、結果を確かめる

優先順位は、一覧を作った日に固定するものではありません。入荷予定が変われば、広告や制作の順番も変わります。選んだ理由と次に確かめることを残し、状況に合わせて見直します。

例えばBのサイズ説明を直すなら、「問い合わせに多い寸法を追記した」「使用例の画像を追加した」と、変更箇所と実施日を書きます。その後の問い合わせ内容や購入の動きを、変更前と比べます。

比較する際は、期間、広告配信、イベント、価格、欠品の違いも記録してください。問い合わせが減っても、閲覧自体が減っていれば説明改善の効果とは言い切れません。売上だけでなく、残る金額や返品の変化も確認します。

試す商品数は、社内で制作・確認・振り返りまでできる範囲に絞ります。商品数が多いほど、すべてを同じ完成度にすることより、その商品を今直す理由と、変更後に何を見るかを決めることが、次の判断につながります。

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