AMAZON / 利益・運営改善

Amazonで売上は増えたのに、
利益が残らない理由

公開日更新日
Amazon運営。売上は増えたのに、利益が残らない理由。商品ごとの採算から見直す。電卓と帳簿、発送用の箱のイラスト。
記事バナー(AI生成)

先月より注文は増えた。売上も伸びている。ところが、月の数字をまとめると、利益はほとんど増えていない。

そんなとき、最初に広告費を疑うかもしれません。ただ、売上の内訳が変わっていたり、値引きや配送費の負担が増えていたりすることもあります。

まず知りたいのは、どの商品が売れて、その売上からいくら残ったのか。広告を減らすかどうかは、その後に考えても遅くありません。

この記事の要点

店舗全体の売上だけでなく、主力商品の採算を確認する。
そのうえで、価格・広告・値引き・在庫のどこを見直すか決める。

この記事の内容
  1. 売上が増えても、利益は増えるとは限らない
  2. まずは「1個売れたらいくら残るか」
  3. 広告の数字だけで、採算を判断しない
  4. 値引きと在庫も、同じ表で見る
  5. 全部を変えず、主力商品から見直す

売上が増えても、利益は増えるとは限らない

見るのは売上の伸びだけでなく、費用を引いた後にいくら残ったか。

例えば、売上が100万円から150万円に増えた月を考えます。原価や販売にかかる費用、広告費がそれ以上のペースで増えていれば、手元に残る金額は減ります。

説明用の仮例。売上は100万円から150万円へ50%増加。一方、原価などと広告費を引いた残額は15万円から12万円へ20%減少。残額は固定費控除前で営業利益ではありません。内訳は下の表に記載。
図1:売上と、費用を引いた後に残る金額は、分けて確認します。
計算例/単位:万円
項目先月今月
売上100150
売れた商品の原価・販売手数料・物流費など65105
広告費2033
上記の費用を引いた残額1512

図・表は説明用の仮の数字で、実際の店舗実績やAmazonの料金例ではありません。売上は値引き・返品を反映した金額、金額はすべて税抜と仮定しています。残額から人件費・外注費・出店プラン料など、ここに含めていない費用も引くため、営業利益とは異なります。

店舗全体の売上が伸びた理由が、「利益の薄い商品の販売増」だった可能性もあります。売上順だけでなく、商品ごとに残る金額を並べると、見直す場所が見えてきます。

まずは「1個売れたらいくら残るか」

最初から全商品の収支を細かく調べる必要はありません。まずは売上の大きい商品を数点選び、販売価格と費用を並べてみましょう。

値引き後の売上− 売れた商品の原価・販売手数料・物流費など= 広告費を使う前に残る金額

例えば、1個3,000円の商品から、原価などを引いて850円残るとします。販売1個あたりの広告費が600円なら、残るのは250円です。

1個3,000円の商品を使った仮の計算例。原価1,200円、販売手数料450円、出荷配送費400円、その他の変動費100円、計2,150円を引くと850円。広告費600円を引くと残額250円。固定費控除前で営業利益ではありません。
図2:売上から原価・販売費用、広告費を引く順番を示した図です。金額の内訳は図の下段に記載しています。

こちらも説明用の仮定です。各費用は実際の料金を示すものではなく、人件費などの固定費は含みません。「その他」は納品・梱包等の変動費を想定しています。

FBAを利用している場合は、配送代行手数料のほか、納品にかかる費用や保管関連の費用も確認します。自己発送なら、送料や梱包資材、出荷作業の費用を確認します。同じ出荷について、FBAの配送代行手数料と自己発送の送料を二重に入れないよう注意が必要です。

Amazonの販売手数料やFBAの料金は、カテゴリーやサイズ・重量などで変わります。見積もりは公式の料金シミュレーターで確認し、月次の振り返りでは請求・取引明細と照合してください。Amazon公式の料金案内にも、費用の種類と試算方法がまとまっています。

広告の数字だけで、採算を判断しない

広告レポートで売上が伸びていても、それだけでは利益が増えたとはいえません。原価や手数料は、広告の売上から自動的に差し引かれているわけではないからです。

確認したいのは、広告経由の売上に対していくら使ったかに加えて、店舗全体の売上に対して広告費がどれくらいかかっているか。そして、その費用を負担できる商品構成になっているかです。

利益が残りにくい商品と、余裕のある商品を、同じ目標で運用する必要はありません。ただし、新商品の立ち上げや認知の拡大を目的に、一時的に広告へ投資する場合もあります。その場合は、投資の目的と予算、見直す時期を決めておきます。

また、広告レポートの売上と店舗の売上は、集計期間や計上の条件が一致しないことがあります。広告売上を店舗売上に足したり、単純に差し引いて「自然検索の売上」と断定したりせず、それぞれの定義を確認して比較しましょう。

値引きと在庫も、同じ表で見る

セールで増えたのは、注文か、残る金額か

セールで注文が増えても、値引きや広告費を含めると、通常時より残る金額が少なくなることがあります。参加前に値引き後の採算を試算し、終了後に実績と比べたいところです。

クーポンやセールの関連費用は、値引き額とは別にかかる場合があります。売上をすでに値引き後で集計しているなら、値引き額を費用としてもう一度引かないようにします。

売上に出にくい、在庫の負担も確認する

売れた商品の採算がよくても、売れていない在庫の保管費用が増えていれば、店舗全体では負担になります。商品別の収支とは別に、在庫数量、販売ペース、保管関連の請求を並べて確認します。

仕入れた在庫にお金を支払った時期と、商品が売れて原価になる時期も同じではありません。「利益が残らない」のか「入出金のタイミングで資金が足りない」のかは、分けて整理する必要があります。

全部を変えず、主力商品から見直す

原因が分かる前に、広告も価格も商品ページも同時に変えると、何が影響したのか分からなくなります。まずは、次の順番で整理してみてください。

  1. 主力商品の売上・原価・販売費用を、同じ期間・税区分で並べる。
  2. 広告費と値引きを反映し、残る金額を確認する。
  3. 店舗全体の保管費や固定費も合わせて見る。
  4. 価格・広告・値引き・在庫のうち、見直す対象を絞る。
  5. 変更した内容と日付を残し、同じ条件で振り返る。

商品別の採算を見れば、「広告を減らす」以外の選択肢も出てきます。価格を見直す、販売するセットを変える、値引きする商品を絞る。どれが適切かは、商品の特徴と数字によって変わります。

売上が増えたかどうかに加えて、何を売ると、いくら残るのか。その確認から、次の施策を決めていきましょう。

← 記事一覧へ戻る