
先月より売上が落ちた。広告を増やすべきか、クーポンを出すべきか。それとも商品ページを直すべきか。
施策を決める前に見たいのは、来店する人が減ったのか、購入につながりにくくなったのか、1回の買い物の金額が下がったのかです。同じ売上減でも、確認する場所は変わります。
楽天市場の売上を、アクセス人数・転換率・客単価に分けて見たうえで、売上減少額の大きい商品を調べる。その手順を、仮の数字で説明します。
前月と比べる前に、期間と条件をそろえる
月の途中の売上を、前月の1か月分と比べても判断できません。最初に比較する日数と、売上の集計条件をそろえます。
日数が同じでも、セールやキャンペーンの開催日、曜日の並び、季節需要が違えば数字は動きます。直前の期間だけでなく、前年の同じ時期も補助的に見て、「今回は何が違ったか」を書き添えておきます。イベントの日程がずれているなら、暦の日付だけでそろえず、イベント中と通常日を分ける方法もあります。
売上・アクセス人数・転換率・客単価は、RMSの店舗カルテ(R-Karte)などで確認します。異なるレポートを組み合わせる場合は、集計対象や指標の定義を確かめてください。月全体の転換率や客単価を、日別の率や平均の単純平均で置き換えないことも大切です。
同じ「20%減」でも、見る場所は違う
楽天市場の公式案内では、売上を「アクセス人数×転換率×客単価」の3つに分けて考えます。売上だけでなく、それぞれが前の期間からどう変わったかを並べます。
例えば、アクセス人数10,000人、転換率3%、客単価5,000円なら、売上は150万円です。ここから売上が120万円に下がるケースを考えてみます。
アクセス人数が減ったケースでは、流入元から調べます。転換率が下がったケースでは、来店した人と商品が合っているか、在庫や価格、配送条件、ページの内容を調べます。客単価が下がったケースなら、売れた商品の構成や値引き、まとめ買いの変化を見ます。
なお、3%から2.4%への変化は「0.6ポイント低下」で、元の3%に対しては20%の低下です。比較表では、差と変化率を混同しないようにします。
図の数値はすべて説明用の仮例で、店舗実績や業界の標準値ではありません。実際のレポートでは、定義・集計対象・丸め等によって掛け算と表示売上が一致しない場合があるため、利用する画面の算出条件を確認します。
下落率より、売上が何円減った商品か
店舗全体の数字で傾向が見えたら、商品別に移ります。ここで下落率だけを見ていると、店舗全体への影響が小さい商品に時間をかけてしまうことがあります。
| 商品 | 比較元 | 今回 | 増減額 |
|---|---|---|---|
| 主力商品A | 50 | 30 | −20 |
| 商品B | 2 | 1 | −1 |
| その他合計 | 38 | 37 | −1 |
| 店舗合計 | 90 | 68 | −22 |
商品Bは50%減ですが、減った金額は1万円です。主力商品Aは40%減で、20万円減っています。この例なら、店舗全体で減った22万円のうち20万円を占める商品Aを先に調べると、影響の大きい箇所から着手できます。
ただし、減少額が大きい商品を必ず立て直す、という意味ではありません。終売予定や季節商品の需要減なら、別の商品を育てる判断もあります。まず影響を把握し、その商品の今後の販売方針と、改善できる余地を確かめます。
下がった数字から、確認先を絞る
アクセス人数が減ったとき
楽天内の検索、広告、外部サイトなど、どの入口からの訪問が減ったのかを調べます。店舗全体のアクセス減を、そのまま「検索順位が落ちた」と決めつけないことです。
広告を止めた日やイベント終了日と重なるのか、特定の主力商品だけなのか。検索からの流入が減っているなら、商品別の検索キーワードや、実際の検索結果での見え方も調べます。検索順位は変動するため、1回の表示確認だけで原因を確定しません。
転換率が下がったとき
同じ商品でも、在庫があるサイズや色が減れば、ページを訪れても買えない人が増えます。価格、送料、配送予定も含め、現在の商品ページで購入まで進めるかを確かめます。
販売条件に問題が見当たらなければ、流入した人の目的と商品の用途が合っているか、サイズ・仕様・セット内容などの説明が足りているかを見ます。転換率の低下だけで、画像や説明文のせいとは言い切れません。
客単価が下がったとき
値引きが増えたのか、安い商品の販売比率が上がったのか、1回の購入点数が減ったのかを分けます。高単価のセット商品が欠品し、単品だけが売れているケースも考えられます。
客単価を戻すために、すぐセット化や値上げをする必要はありません。売れた商品と数量、値引きの条件を見たうえで、購入しやすさと採算の両方を確認します。
直す商品と変更内容を決めて、記録する
調べた内容は、「主力商品Aの売上が20万円減った。アクセスは横ばいだが転換率が下がり、人気サイズの欠品日と重なる」のように、数字と出来事をつないで残します。まだ裏づけがなければ、原因ではなく仮説として扱います。
この状況で広告だけを増やしても、欲しいサイズを買えない問題は残ります。仕入れや入荷見込みを確かめるなど、分かった状況に合う行動を選びます。
- 対象の商品と、変化した数字を決める。
- 確認した事実と、まだ確かめていない仮説を分ける。
- 変更する内容と実施日、振り返る期間を記録する。
- 変更後の売上に加え、広告費・値引き・残る金額も見る。
価格、広告、画像を同時に大きく変えると、何が影響したか分かりにくくなります。欠品など販売上の問題は先に対応し、ほかの改善は優先順位をつけて進めます。