EC運営 / 販路・戦略

ECの販路はどう選ぶ?
Amazon・楽天・自社EC、
次に伸ばす先の決め方

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EC販路戦略。Amazon・楽天・自社EC、次に伸ばす販路をどう決める?売上・採算・運営工数を比べる。オンライン店舗から3つの売り場へ分岐するイラスト。

すでに複数のEC販路があるなら、次に伸ばす先は売上の大きさだけでは決められません。残る金額、直せる問題、担当者が使える時間を、同じ条件で比べます。

Amazonも楽天も運営している。自社ECもあるけれど、更新するだけで手いっぱい。次の売上を作るなら、どこに時間と費用をかけるべきでしょうか。

販路の優先順位は、増やしたい売上の中身を決め、今の採算、改善できる問題、運営を続けられるかを比べて考えます。月商が大きい販路や、手数料が低い販路が、そのまま次の投資先になるとは限りません。

この記事では、すでに複数の販路を持つメーカー・卸の担当者に向けて、比較する項目と、次に試すことの決め方を説明します。新しく出店する場合は、審査、販売条件、初期費用も別に確認してください。

この記事の内容
  1. 販路名より先に、増やしたい売上を決める
  2. 売上と費用を、同じ条件で並べる
  3. 月商300万円の販路が、最優先とは限らない
  4. 次に試す販路と、見直す条件を決める

販路名より先に、増やしたい売上を決める

新しいお客様を増やしたいのか、一度買ったお客様にもう一度選んでもらいたいのか。それとも、既存商品の販売条件を見直して、残る金額を増やしたいのか。目的が違えば、同じ会社でも優先する販路は変わります。

例えば、自社ECの再購入を増やしたい場合、買ったお客様が十分にいるか、購入後の案内に反応があるかを調べます。新規の注文自体がほとんどない状態で、再購入の施策だけを増やしても、売上の柱には育ちにくいためです。

販路ごとの特徴は、商品と売り方を考えるための材料にします。次の表は一般的な確認観点で、特定の商材に向く販路を断定するものではありません。

商品と販路の組み合わせを考えるときの確認観点
販路確認したいこと見落としやすい負担
Amazon検索される用途・規格と、自社商品の価格、説明、配送条件が合っているか。販売手数料、配送・保管、広告、返品などを含めた採算。出品できる状態と補充の手間。
楽天市場商品ページや店舗内の案内で、選び方、セット、用途の違いが伝わっているか。出店・販売関連費用、広告、ポイント等の販促負担。ページや企画を更新する時間。
自社EC検索、広告、SNS、既存顧客への案内など、来店と再訪の入口を用意できるか。集客・制作・システム・決済・配送の費用。開設した後に運営を続ける人と時間。

モールにも、出品・出店すれば必ず売れるという仕組みはありません。反対に、自社ECだから必ず高い利益が残るとも言えません。どの販路でも、お客様に見つけてもらい、選ばれるまでの仕事が必要です。

売上と費用を、同じ条件で並べる

比較には、同じ期間の受注・売上データと費用明細を使います。まずは直近の1か月を並べ、セールや季節商品の影響が大きい場合は、複数月や前年の同じ時期も確認します。

売上は税込・税抜、値引き、キャンセル、返品の扱いをそろえます。広告管理画面の「広告経由売上」と、店舗の受注データは、そのまま足さないようにしてください。広告の成果の数え方と、実際の注文の集計は別だからです。

費用も、手数料だけで比べないようにします。原価、配送、広告、販路専用の月額費用まで、含めた項目を明記します。見積もりに含まれない費用や、まだ配分できていない費用があれば、分からないまま残して構いません。

もう一つ並べたいのが、社内で使っている時間です。商品登録、制作、広告確認、受注・在庫対応、外注先への依頼や確認などを書き出します。出荷を倉庫に任せていても、社内の仕事がなくなるわけではありません。

これから出店する販路には、既存販路の実績と同じ確かさの数字はありません。見込み売上・費用は試算として分け、初期制作や立ち上げの時間も加えて考えます。

月商300万円の販路が、最優先とは限らない

3つの販路を運営している会社で、同じ1か月の数字が次のようになっていたとします。金額も作業時間も、説明用の仮例です。

同じ1か月の仮例/金額は税抜・単位:万円
販路売上対象費用残額社内の運営時間
Amazon3002762440時間
楽天市場1801532770時間
自社EC90721830時間

売上は値引き・キャンセル・返品を反映後。対象費用は原価、販売・決済手数料、配送等の変動費、広告費、販路専用の月額費用を含むものとします。値引き等は売上から反映し、費用へ二重計上しません。人件費や会社共通の固定費は控除していないため、残額は営業利益ではありません。時間は通常運営の社内工数で、外注先の作業時間や初期構築は含みません。

説明用の仮例。月間の対象費用を引いた残額はAmazon24万円、楽天市場27万円、自社EC18万円。社内の運営時間はそれぞれ40時間、70時間、30時間。残額の棒は共通の金額尺度。人件費・共通固定費控除前で、時間は別項目。
図:残額は同じ金額尺度で比較し、運営時間は別に表示しています。現在の実績から、追加投資の効果までは分かりません。

Amazonの月商が最大ですが、対象費用を引いた後の残額は楽天市場が上です。一方、楽天市場には最も多くの時間を使っています。この表だけで「楽天を伸ばす」「時間の少ない自社ECに集中する」とは決められません。

次に必要なのは、今どこで販売や作業が止まっているか、手を入れられる問題があるかの確認です。

  • Amazonで広告費が増えているなら:検索語や商品別の採算を確認する。予算を増やす前に、費用をかける対象を見直せるかを調べる。
  • 楽天市場で在庫更新に時間を取られているなら:更新の流れと欠品の有無を確認する。販促を増やす前に、販売を支える作業を整えられるかを考える。
  • 自社ECへの来店が少ないなら:今の18万円がどの入口や顧客から生まれているかを確認する。少数の注文を根拠に、同じ採算で集客を拡大できると見込まない。

ここに挙げた問題も仮の条件です。同じ残額でも、在庫不足なのか、ページの説明不足なのか、集客の費用が合わないのかで、次の仕事は変わります。

また、今の残額を作業時間で割った数字は、追加で1時間使ったときに増える利益ではありません。既存の売上には、これまでの認知や購入履歴、商品の構成なども影響しています。

次に試す販路と、見直す条件を決める

比較表ができたら、追加の制作や販促を試す対象を絞ります。今ある販路を急に止めるのではなく、通常運営に必要な時間を確保したうえで、改善に使える時間と費用を決めます。

例えば楽天市場の在庫更新に手間がかかり、売れ筋の欠品も起きているなら、対象商品を絞って更新の流れを見直します。この段階で見るのは、更新時間や在庫のずれ、欠品の状況です。作業が軽くなったことと、売上が増えたことは分けて確認します。

自社ECの集客を試すなら、対象商品、来店の入口、費用の上限を決めます。閲覧、購入、集客費用、残る金額を確認し、どの結果なら続けるかを先に書きます。再購入を期待する商材なら、その購入周期を待たずに良し悪しを決めないようにします。

試す内容は、次の4点が書ける程度まで具体化しておくと、振り返りやすくなります。

  1. どの販路・商品で、何を変えるか。
  2. 社内の誰が担当し、何時間・いくらまで使うか。
  3. どの数字と状態で結果を判断するか。
  4. いつ確認し、どの条件なら継続・修正・停止するか。

評価する期間は、購入や再購入の周期、注文数、季節性に合わせます。セール、値引き、入荷、他の販路の変化も残してください。販路別の売上が増えても、既存の注文先が移っただけなら、会社全体の増分とは言えません。

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