
もう一度買ってもらうために、クーポンを配る、メルマガを増やす。施策を先に決めたくなりますが、お客様が何を買い、どのくらい経っているかで、役に立つ案内は変わります。
消耗品を買った人と、長く使う道具を買った人に、同じ日数で同じ商品を勧める必要はありません。誰に、いつ、何を届けるかを考える材料として、購入履歴を確認します。この記事は実績紹介ではなく、公開情報と説明用の仮例を使った手順です。
「もう一度買った」を、何で数えるか決める
会員登録した人、注文した人、2回目の注文をした人は、それぞれ違います。メールが届く人数や会員数を、そのままリピート購入した人数に置き換えないようにします。
最初は、一つの店舗の中で顧客ごとに初回と次回の注文を並べます。テスト注文、全取消、全額返金の注文を対象に含めるか、交換品の再発送を購入に数えていないかを確認します。同日に分けて注文したものをどう扱うかも、比較前に決めます。
例えば、対象とする注文からテスト・全取消・全額返金を除き、「初回購入の翌日から60日目までに、別の対象注文をした人」を数える方法があります。この方法なら、人数を数えるので、期間内に3回買った人も1人として扱います。同じ商品の買い直しを見るのか、店内の別商品も含めるのかは別の条件です。
管理画面の「リピーター」や「リピート率」が、この条件と同じとは限りません。初回購入時期で顧客を分けて経過を見る方法は、コホート分析と呼ばれます。Shopifyにも初回注文日で分ける顧客レポートがありますが、注文の対象や集計期間は使う画面で確認してください。
店内の顧客IDでひも付けられない注文は、無理に同じ人へまとめません。ゲスト購入や過去データの不足で判別できない分は、その範囲を記録します。別モールで同じ人が買っているかまで、手元の一店舗のデータで分かるとは限りません。
初回購入から、同じ日数を待って比べる
初回購入から60日以内の再購入を見たいのに、購入から14日しか経っていない人を一緒に評価すると、まだ買う機会が十分にない人まで「戻ってこなかった人」に入ってしまいます。
比較するグループは、全員が同じ日数を経過しているかを確かめます。初回購入月が同じでも、その月の末日に買った人は、月初に買った人より観察できる期間が短くなります。集計日と、対象にできる初回購入日の範囲を残します。
直近のお客様を比較から外すのは、「その人へ案内を送ってはいけない」という意味ではありません。施策の対象を決めることと、結果を比べられるかを判断することは別です。
初回購入者のうち、決めた日数以内に再購入した人数と割合を残します。買った人だけの「2回目までの平均日数」を見ても、2回目がまだない人は平均に入っていません。平均日数だけを根拠に、全員へ同じタイミングで案内するのは避けたいところです。
最初に買った商品と、次に買った商品を並べる
初回購入の商品別に分けると、次回に同じ商品が買われたのか、関連する別の商品なのかを確認できます。消耗品でも一度に買った量が違えば、使い切るまでの日数は同じになりません。
「同じ商品をもう一度買う」以外にも、詰め替え、付属品、別用途の商品という選択肢があります。ただし、購入履歴だけで使い切った日や買った理由までは確定できません。以下は施策を考えるための仮例で、実際の売れ方を示したものではありません。
| 最初に買ったもの | 次に確かめること | 案内の候補 |
|---|---|---|
| 少量の消耗品 | 同じ商品の再購入、まとめ買いへの移行、購入間隔 | 補充の案内、量の違いの説明 |
| 長く使う道具 | 対応する付属品や別用途の商品が買われているか | 手入れ、使い方、対応する付属品 |
| 贈り物向けの商品 | 別の機会の購入か、自分用の購入か。分からなければ未確認 | 用途に合う商品の紹介 |
初回がセールだった人と通常価格で買った人、初回に一つ買った人とセットで買った人を分けるときも、観察期間をそろえます。商品の違いが大きいまま「この流入元はリピート率が低い」と原因を決めないようにします。
準備する項目は、店内顧客ID、注文日、注文番号、商品と数量、値引き・返金を反映した金額です。連絡用の名簿は分析表と分け、分析に不要な氏名・住所・メール本文をコピーしない形にします。
送る相手と内容を、一組だけ決めて試す
購入履歴を見たら、一つの商品群と、一つの案内内容を選びます。「買ってから一定の日数が経った少量商品の購入者へ、量の違いを説明する」といった形で、理由を説明できる対象にします。値引きが必要なのか、使い方の情報でよいのかも分けて考えます。
試す前に、対象条件、案内内容、実施日、購入を確認する期間、クーポン等の負担を記録します。見るのは開封やクリックだけでなく、決めた期間内の再購入人数と、値引き・広告・発送などを考慮した残額です。
案内を受け取った人が買っても、その案内だけの効果とは限りません。自然に再購入する人や、同時期のセールの影響もあります。可能なら同じ条件で案内しない比較対象を設けます。比較が難しければ、実施前後の観察結果として残し、増えた分をすべて施策の成果にしないようにします。
送信回数を増やす前に、どの商品を、どのくらい経って、もう一度買っているかを見る。その記録があれば、次の案内を「全員へ同じクーポン」から一歩絞れます。