
単品を組み合わせて、セット商品にする。販売ページは一つ増やせますが、手元の商品まで増えるわけではありません。
単品と同じ在庫から出荷するなら、セットが売れた分だけ単品で売れる数も減ります。箱が変われば、送料や梱包の手間も変わります。セットの売価を決める前に、中身、使う在庫、出荷後に残る金額を一緒に確かめる。ここでは自社ECを想定し、確認の順序を公開情報と説明用の仮例で整理します。
セットの中身を、商品コードと数量で決める
「お試しセット」「まとめ買いセット」という名前だけでは、在庫も原価も決まりません。どの商品を何個入れるか、色やサイズを選べるかを先に決めます。
例えば「商品Aを2個、商品Bを1個」なら、その商品コードと数量を1セットの構成として残します。色違いを選べる場合は、選んだ色の商品コードまで区別します。買う人には同じシリーズでも、倉庫で取り出す商品が違うなら別の条件です。
注文後に組み合わせるのか、あらかじめ袋や箱に詰めておくのかも決めておきます。組み立て済みのセットを別の在庫として保管するなら、材料として使った単品の数をどの時点で減らすかが必要になります。
単品と共用する在庫を、二重に数えない
販売できるセット数は、商品の在庫数を足した数字ではありません。セットを完成させられる数で考えます。
仮に、販売に使える商品Aが12個、商品Bが4個あり、1セットにAを2個、Bを1個使うとします。Aだけなら6セット分、Bは4セット分。両方が揃うのは4セットまでです。
ここでBが単品で1個売れたら、Bは残り3個。新たなセット販売に使えるのも3セット分へ変わります。「単品Bを4個」と「セットを4つ」を別々に売ってよい数として登録すると、同じBを二度使うことになります。
Shopify公式では、構成商品の販売可能在庫を必要数量で割り、完成するセット数の小さい方を使う考え方が示されています。ただし、在庫を追跡しない商品や、在庫切れでも販売を続ける設定の商品は、数量計算から除外される場合があります。表示された数だけを見ず、対象商品の設定も確認します。[公式の在庫計算と注意点]
別の倉庫に分かれている商品を同じ箱で出せるかも、在庫の合計だけでは決まりません。セットを組める場所と、ほかの注文へ引き当てた数を確認してから、実際に売り出す数量を決めます。
セット用の箱で、残る金額を計算する
単品の原価を足して売価から引くだけでは、セットの採算は見えません。商品を一緒に入れた箱の大きさと重さ、緩衝材、同梱作業を確かめます。
次は、A2個とB1個を3,600円で販売する仮例です。金額はすべて税抜で、手数料や送料は実際のサービスの料金ではありません。
| 項目 | 仮の金額 | 確かめる内容 |
|---|---|---|
| 販売価格 | 3,600 | セットに適用する売価 |
| 商品の原価 | −1,800 | A:700×2個、B:400×1個 |
| 販売・決済手数料 | −360 | セットの売り方に応じた費用 |
| 出荷・配送費 | −500 | セットを梱包した後の条件 |
| 梱包資材 | −100 | 箱や袋、緩衝材など |
| 上記の費用を引いた残額 | 840 | 広告費・人件費等の固定費を引く前 |
この仮例で、箱のサイズが変わって出荷・配送費が800円になれば、残額は540円です。セットを作る追加作業に別料金がかかる場合は、その分も引きます。「一緒に送るから安いはず」で済ませず、梱包した状態で確かめたいところです。
比較するのは、単品をそれぞれ別送する場合だけではありません。もともと同じ注文で一緒に買われる商品なら、その買い方でも送料は1回分だったかもしれません。同じ商品・同じ数量を買う条件と比べて、セットの値引きと費用の違いを見ます。
セット価格と単品価格を別管理するサービスでは、単品の価格改定時にも確認が必要です。例えばShopify Bundlesは、構成商品の価格が変わってもセット価格は自動更新されないと案内しています。原価や単品売価を見直すときは、影響するセットも同じ表で確認します。[公式の価格更新の説明]
出荷担当へ渡る内容まで、販売前に照合する
販売ページで「A2個+B1個」と表示していても、倉庫へ渡る注文がその内容になっているとは限りません。連携先へ渡る商品コードと数量、セットを組む担当を照合します。Shopify Bundlesでは注文に構成品のSKUが記載される仕様ですが、自社の受注管理・倉庫側でどう受け取るかまで、この説明だけでは確認できません。
販売を始める前に、商品ページの中身、在庫を減らす単位、出荷指示の中身を並べてみます。合っていないところを残したまま、売価と画像だけを先に公開しないことです。
開始後はセットの売上だけでなく、同じ商品の単品注文、出荷後の残額、構成品の欠品を一緒に見ます。セットが売れていても、単品で売れていた分が移っただけなら、その変化も判断材料になります。商品の組み合わせを増やすのは、最初のセットを無理なく受けて出せるかを確かめてからでよいと思います。